インタビュー

地元の人とともに南砺市の魅力を伝えたい

  • 北陸エリア
  • 富山県

お名前中臺 雅子(なかだい みやこ)
現在(←移住前)の職業Bed and Craft勤務 ← 南砺市観光協会(←旅行業)
現在(←移住前)の住まい南砺市 ←(東京都、ペルー ← 京都府)
移住を検討し始めた年齢35歳
移住年月2015年

移住のきっかけ

大学時代から旅が好きで国内外を旅してきました。卒業後は東京で旅行業の仕事に就き、南米ペルーの旅行会社にも勤務していましたが、2011年3月の東日本大震災を機に生活を見つめ直し「自給自足できない東京は何かあった時に怖い」と思い移住を考え始めました。
移住するなら自然豊かな環境で観光の仕事を続けられる場所を!と各地を回り、2014年秋に富山県を訪ねました。そして、雄大な立山連峰をはじめとする山と海の豊な自然、色濃い日本の伝統文化が息づく地域性に魅せられました。東京に戻った後も、他の地域より富山県の印象が強く残り、求人情報など調べていたところ、縁あって「南砺市観光協会」の求人を知り応募。2015年8月から勤務し始めました。いろんな理由がありますが、移住の決め手となったひとつに、南砺市の暮らしや食文化が関西圏に近い印象を持ったこと。これは、富山県に実際に足を運んだことで気付いたことです。

 

南砺市のライフスタイルを体感「なん旅」

最初に勤務した「南砺市観光協会」では、南砺市の観光プロモーション事業や誘客推進事業に携わり、首都圏など県外からの誘客を進める一方、お客様が南砺でより心地よく過ごしていただけるように、市内観光事業者の方々と連携し受入れ環境整備にも取り組みました。
旅行業務では「なん旅」を担当。南砺市に足を運んで下さるお客様に、地域の文化・歴史・自然・暮らし・人々に触れ、南砺市の良さを体感いただく着地型ツアーを企画・実施しています。「なん旅」は地元発だからこその地域密着型ツアー。地域で活動する方やお店の方にお話しいただいたり、案内いただくなど、地元の皆さんの協力なしでは作れないツアーでした。

 

世界遺産だけではない南砺市の魅力にも光を

南砺市はインバウンドにも力を入れています。世界文化遺産の五箇山合掌造り集落には海外から多くのお客様が訪れます。コロナ禍前は、旅行者が急増していた東南アジアからの誘客推進にも力を入れ、他自治体と連携し事務所を設けたシンガポールを拠点に、情報収集や現地のニーズをくみ取りながらモデルコースなどを作りPRを行っていました。
課題のひとつは、お客様がJR城端(じょうはな)駅(五箇山合掌造り集落へ向かう「世界遺産バス」の停留所がある)を下車したら、すぐに世界遺産バスにのってしまうこと。
古い趣ある町並みが残る城端にも立ち寄ってほしい、まちを歩いて見てほしいと思い、提供するコンテンツや快適に旅ができる環境がまだ十分揃っていなかったため、英訳のパンフレットを置いたり、地元の受け入れ環境の調整を行ったりしました。

 

地元の方とともに南砺市の魅力発信へ

そして、南砺市は、歴史や文化が深くて色濃い。調べれば調べるほど奥深いです。誘客して案内する立場にいるからこそ、もっと勉強したいと思っています。
また、外からの目線、内からの目線のバランスも大切にしていきたいと思います。外からの目線で南砺市を訪れるお客様が「何を求めているか」「快適に過ごしていただけるには」を考える一方、内からの目線で南砺市の受け継いでいかなければならない歴史や文化、守っていかなければいけないものを壊さないように。
海外のお客様は、日本らしさや日本の田舎に魅力を感じる方が多くいます。これまであまり光が当たっていなかった自然・文化に触れる機会や環境を地域のみなさんと作っていきたいです。
南砺市には地域やまちづくりのために活動している方が多く、みなさん熱い想いや特技を持っていて個性豊か。そんな方たちと関わり、協力し合い、ひとつの方向に向かっていけたらと思っています。

 

さらなる南砺市の魅力発信を

南砺市観光協会で勤務し知り得た知識や人脈をもとに、現在は、井波地区にあるBed and Craftという宿泊施設で勤務しています。古民家をリノベーションし、1日1組限定で受け入れています。ここは「井波の職人に弟子入りできる宿」。そして町の工房や飲食店を巡っていただき、町全体がホテル機能を備えています。ここで、お客様の対応やアクティビティーの企画を行っています(現在はコロナの影響により日本人のお客様対象)。
コロナ禍が落ち着けば、ガイドをしながらツアーを企画運営するインバウンドを対象とした旅行業も始めたいと考えています。
また、富山県の呉西地区は、歴史的に、金沢や京都の文化が溶け込んでいるので、関西の方にとって住みやすいと感じています。移住でなくとも、是非一度遊びに来て下さい。

Bed and Craft:https://bedandcraft.com/

 

多様な自然の恵みや文化が身近な暮らし

富山県は何といっても水がおいしいくて豊か。暮らしの上でとても重要なことだと思います。また、海と山が近く、両方の自然の恵みが味わえます。
南砺市は特に自然が豊かで、四季の移り変わりを感じます。それぞれの季節ならではの食べ物も豊富。高い建物がほとんどなく、空が広い。行事や祭りが市内各地に残っている。どれも本当に貴重ですばらしいです。
また、富山市も石川県金沢市も車で約1時間とアクセスが良くて便利。ただ、移住してすぐの自家用車がない頃は移動が大変でした。公共交通機関の便数は少ないし、雨の日が多くて…
初めて迎えた冬は雪が少なくホッとしましたが、どんよりした空の日が続き、気分がふさぎました。でもその分、春が来る喜びが大きく、新緑の美しさや山菜のおいしさに感動しました。

 

移住のアドバイス

私は移住を考え始めてから移住するまで約3年かかりました。移住を決めるにあたって、情報収集はしっかりした方が良いです。移住関連のイベントやフェアでは、地方に暮らす方や移住した方の生の声が聞けます。ぜひ足を運んでみてください。また、実際に地方に足を運ぶことも大切。私は、移住先はもちろんですが、旅をしながら自分が何を求めているかも探していました。一方、飛び込んでみたら地域の人が助けてくれました。情報収集も大事ですが、思い切りも必要ですよ。

 

> 井波別院瑞泉寺

井波彫刻発祥の地であり、京都とのつながりを感じる場所。江戸時代、瑞泉寺再建のために京都から派遣された大工が彫刻の技を井波の職人に伝えました。井波彫刻の枠といわれる作が寺院の随所で見ることができ、心地よい風が吹き心が落ち着く場所です。

 

> 閑乗寺公園

井波のまちから車で5分ほどの場所にある展望台。散居村の風景が一望できる。四季の移ろいと共に景色が変わり、夕日がとても美しい。県外の友人が来たら必ず連れていく場所。

 

このインタビュー記事に関する各窓口のご案内

■インタビュー記事に関するお問合せ先
「くらしたい国、富山」推進本部(富山県 総合政策局 移住・UIJターン促進課)
TEL:076-444-4496
HP:http://www.pref.toyama.jp/cms_sec/1019/

 

■富山くらし・しごと支援センター 富山オフィス
TEL:076-411-9179
HP:http://toyama-teiju.jp/
富山県定住コンシェルジュが、とやま暮らし相談、富山現地案内、移住後の相談を行っております。
また、しごと相談員による求人開拓、企業ニーズに応じた求職情報の提供を行っております。
その他、webサイト・SNSによる移住関連イベント・ツアー情報、ローカル情報の発信を行っています。

 

■富山くらし・しごと支援センター 大阪オフィス
TEL:06-7636-6065
HP:http://toyama-teiju.jp/
移住相談員による富山ぐらしの相談、富山ぐらしの情報や体験ツアーのご案内、
経験豊富なキャリアカウンセラーによる就職相談、職業紹介、富山県内企業の求人情報の提供、
エントリーシートの添削や面接対策をサポートしています。

 

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